タイトルは客席で私がどっひゃーになった台詞。
舞台『あいつが上手で下手が僕で 人生芸夢編』を見ました。
俳優はもちろん知ってて、設定あらすじはふんわり知ってるかな〜くらい。さすがに1回見てみたかったので、染様好きな友達と行きました。
感想!めちゃくちゃ楽しかったです!
テニミュを殿堂入りにさせた場合、今年見た舞台で1番好きだと思いました。
私って根っこが単推しの人間なんですけど、そんな人間がコンビっていいな……になった舞台。
まずそれぞれのコンビの感想から。
時浦可偉(荒牧慶彦)
ボケ担当
めんどくさい〜〜〜メンヘラだ〜〜〜!
でもこの顔でこのメンヘラ具合は普通に需要あるだろ☝️と思ってしまった。破綻。
でもメンヘラを発揮するのは時浦にとって島がいなくてはならない存在だからだよな……。
島が失踪した後、心配かけないように明るく振舞っていたことを島父に指摘されて糸が切れたみたいにメショメショメショ〜になったところで私もメショメショになった。
島世紀(和田雅成)
ツッコミ担当
いわゆる、ちゃらんぽら〜んツッコミ関西人だ……今回の大きな騒動はこの島の借金問題から始まるんだけど……。
結局借金の理由は妹の学費のためで、そういうところだぞ🫵ってなった。
ちゃらんぽら〜んな振る舞いだけど、プレッシャーに弱くてそれが前コンビの解散に繋がったこと、あまりにも島ってそういう人間なんだな……。
エクソダスは王道真反対コンビ、劇中でも高砂に序盤で言われてるし、騒動が一段落した後にもそう言ってる。
だからこそお互いに甘え甘えられって精神的に依存できてるんだな、と思った。精神的に依存はしていても、時浦は島の連帯保証コンビにはならないし、時浦と時浦父が話し合うときに島は背中を押すけど席は外そうとする、適切な距離を保てる関係なんだなと思った。でもここで時浦は島にはこの場にいて欲しいって、言うんだよな……。
ロングリード
湾野岳(橋本祥平)
ツッコミ担当
抱えているどうしよもなさの質感がわかってしまい、あぁ……になった。
準々決勝敗退、敗者復活も落選、のはずが繰り上げで準決勝進出。でも準々決勝で敗退した自分たちが次のステージで勝てるわけがないという不安。幼馴染みの犬飼を自分のせいで縛り付けてるんじゃないか、という責任感、ゆえに意固地になってしまうところ。等身大のどうしようもなさが切なかった。
犬飼佑(田中涼星)
ボケ担当
後輩わんこくん!あまりにもわんこすぎる。
敗者復活のために徳を積むし、自分たちの状況をきちんと分析して受け入れて納得して次に繋げようとしている。偉すぎ。
それに何よりいつだって湾野を肯定して支えている。ただ肯定するだけじゃなくて、自分の中にブレない芯があった上で相方を肯定する。誰よりも強いし健気だと思った。
長年一緒にいるから何でも分かり合える!って訳じゃないよね、なのがロングリードだと思った。
自分から誘ってお笑いを始めたのに、なかなか売れずに準々決勝でも敗退してしまい、犬飼を縛り付けてるんじゃないかという責任感から意固地になってる湾野に「舐めすぎじゃない!?」とぶつける犬飼。犬飼は自分の意思で湾野とお笑いを続けているし、湾野書くネタが良くなっていることも1番近くで実感している。だからこそ自分の気持ちはきちんと伝えたいし聞いてほしい。
長年一緒にいるがゆえの遠慮と責任と不安だな、と思ったし、やっとぶつかり合えた2人の空気感がすごく好きだった。
ラストワルツ
岬一碧(和田琢磨)
背負いすぎてる人だ……。
医者家系に生まれて、お笑いを嫌う父親に復讐するために芸人になったのに、準決勝を前に父親の癌を告げられる。医者の家族は人の役に立っているのに芸人の自分は役に立てているのか、根底に呪いめいたものを持っていて、自分は復讐したいんじゃなくて認められたかったんだって、あまりに、背負いすぎている。
それぞれが芸人になった理由を話している時に岬さんは?と振られて交わすところ、上手いし切なかったな……。
それぞれが思い悩んでる中で1人ずっと準決勝に燃えていてテンションが高い、真っ直ぐすぎお兄さん。
1人動きがデカいし声がデカいしダムダムダム!みたいな地団駄踏むの愛すべきキャラすぎる。連帯保証コンビがわからなくて後輩の犬飼に「後で全部説明します!」って言われるの、愛しいね。
個人的名前が1番好き、良すぎる、真の夜て。
ラストワルツ、準決勝前夜に夜の公園で話し合って行き着いたのは「お前が嬉しいと俺も嬉しい🎶」お前の中で何が吹っ切れたのか、よくわからないけど、お前が嬉しいと俺も嬉しい。
背負いすぎる岬とそんな岬のセンスを信じ続けてる高砂。
思い詰める岬を吹っ切れされたのは、高砂の、俺のしたことでお客さんが笑ってくれてる!人のためになってる!っていうあまりにも真っ直ぐすぎる感情と言葉なんだ……。
難しいことわかんねぇ!な高砂の生き方と言葉が高砂自身の意識していない部分で岬のことを救ったんだ……吹っ切れて嬉しそうな岬を前に当の本人は「何が吹っ切れたかわかんねぇけどお前が嬉しいと俺も嬉しい🎶」なんだよ……。
どっひゃーになった。行き着く先って、これなんだと思った。それぞれのコンビにそれぞれの行き着く先があるんだろうけど、この一言を聞いたときに私の理想はこれだ!と思った。重さもしがらみも何も無い、ただお前が嬉しいと俺も嬉しいって感情……。
ただ岬が高砂に救われただけじゃなくて、高砂は岬のことをずっと信じていたから、父親が亡くなる前に結果を残すと決めた岬に応えるために決勝に進めなかったら解散しよう!それぐらいしないと俺はお前の気持ちに応えられない!って最初に持ちかけたんだし。岬の覚悟を見て高砂も覚悟を決めて2人で解散したくねぇな……って。眩しくて頭抱えた。
という感じです。
タイトルと本文でわかるように、ラストワルツのことばかり考えるターンがありました。万年単推し人間への衝撃。
ストーリー的には、島の借金から事件が始まり、大騒動から時浦と時浦父を巡って親子とは何か……そしてそれぞれ3組が漫才コンテスト準決勝前に思い悩んで乗り越えて……みたいな感じ、「コンビ」と「家族」もっと言えば「息子と父親」の話だったなと思います。
定番の絡みとちょうどいい距離を持っている島と島の父、父の癌をきっかけにやっと向き合った岬、ある意味最悪の再会を果たした時浦と時浦の父。芸人ものだけど「命とプライドをかけてお笑いをやります!」じゃなくて、お笑いを通して自分と相方と父親との関係を見つめ直す、ぶつかり合う、乗り越えていくって人間関係が描かれていたのが良かったなと思いました。
あと何より漫才!レポを見る限りそれぞれ2ネタあるらしい。私は1公演しか入らなかったので1ネタしか見られず……その感想も残しておきます。
ネタ順に!
ロングリード「運動会」
運動会の独特のアナウンスやるから、運動会の動きしてよ、っていう、片方をめっちゃ動かすタイプのネタ。
ボケとツッコミ入れ替えて、湾野がアナウンス役のボケ、犬飼が動き役のツッコミだったんだけど、背が高い犬飼を動かすの、それだけで倍迫力出て面白いもんな、と思った。実際めっちゃ面白かった。
なんか、自分的に1番馴染みのある漫才の形だと思った。伝わりにくい。この時見た3組のネタの中では1番好き!
エクソダス「母と反抗期の息子」
お母さんっていつまでも自分たちのこと子ども扱いしてくるよね〜ってところから、反抗期の息子役の島ときゃぴきゃぴな母役時浦ママこと時浦でお送りされたネタ。
時浦、まさかの憑依型!?という衝撃。理屈っぽいのにネタだとこんなに伸び伸びなんだ……と思った。逆に島は普段とも変わらないテンションのツッコミで、ここまで真反対なのか〜って面白かった。
アドリブで普通に荒牧さんが2月にチェキ会する話題入れてくるし、片思いハート(ハートの片割れとグッドポーズ)2人でして「なんでチェキ会!そんでチェキ会にいそうなテンション!」って島が時浦ママにツッコミ入れるの、若手俳優特有ネタで笑い転げるとこだった。
ラストワルツ「行きつけの店」
行きつけの洋食店の話から、メニューについてる独特のキャッチコピーを自分たちで考えてみよう、みたいな1番王道漫才って感じだった。
王子キャラ(キラキラ王子ではなく、高貴な感じの方)の岬ともはや若干べらんめぇ口調の高砂なのも良い。なんか王子キャラの岬というか和田琢磨見てるとすごい長野博を思い出したんだけど、誰か伝わる人いないかな。途中高砂がダムダムダム!みたいな地団駄踏んでたのが良すぎた。
あとこのネタ見るとサイゼ行きたくなる。翌日行った。
こんな感じ。ゲラだから普通に涙流して笑ってました。
私は父親がお笑い好きだから、お笑いファンには遠く及ばなくても、幼少期からちょっと漫才とかお笑いを多く見せられて育てられたんだけど、全然何の違和感なく見れました。
芸人ものだから、みんな結構隙あらば何かしよう!みたいなところあったし、でもシリアスな部分はちゃんとシリアスで、その温度差のつけ方とか、今はこの人のターンだからってその人を立たせて自分は引いておく、っていう振る舞いとかがすごいなと思いました。
ちなみに、私が見に行った回は涼星くんが突然コナンネタをぶっ込んだのでみんな隙あらばコナンネタをねじ込んでました。初見だけど今回大暴れ回だな!😆ってわかったくらいには。
あとずっとキャラとしての話をしていたので、俳優の話もさせてほし〜!
荒牧さん、私がずっと舞台で見てた荒牧さんはトップの立ち位置でみんなを引っ張っていくって感じだったので、今回のより一層気心知れた仲間と伸び伸びしている感じが新鮮だった。なんなら途中口ポカーンってしてたらしく突っ込まれてた。キュート。
和田雅成のこういう情けないちゃらんぽらん系の演技、いそうすぎてうわ〜!になった。あまりにも情けない質感が上手すぎる。でもいないんだよな、知ってる。
染様は1人ずっと美肌フィルター搭載されてるのかと思った。なのに誰よりも声がデカいし動きもデカくてはちゃめちゃな美人だった。あとアドリブのタイミングが絶妙すぎる。バーローを入れるタイミング、天才?
和田琢磨を見て人々が(人々が)結婚!って思ってしまう理由がわかった。岬は1人だとあんなに思い詰めるのに、みんなといる時は余裕お兄さんの出で立ちだもんな、メロいよな、抗えないよ。
祥平くん、等身大のどうしようもなさに心が痛くなった。どうしようもないところと人間的かわいらしさの塩梅が上手すぎる。漫才のときの喋りが漫才師の喋り方すぎてすごかった。
田中涼星。7月からずっと見てる田中涼星。今回も脚が長い田中涼星。突然コナンネタをぶっ込んだり、桑田佳祐バージョンのトイレの神様を歌ったり伸び伸びしていて良かった。運動会ネタでおそらく運動会中の小学生の顔マネをしてたのが面白すぎてダメだった。
というような感じです。カミシモ、楽しかった!
ドラマもちゃんと見返して前作舞台も配信されたら見ようと思った!何より万年単推し人間にコンビの良さを教えてくれてありがとうすぎます。
多分ドラマと前の舞台も履修したらそれぞれへの印象が変わるだろうなと思って。だからこそ初見の感想を残しておきたくて文章を書きました。思ったより長くなった。
久々に非該当で普段の執着も何も手放して舞台を見たけど、すごくいい観劇体験だったなと思いました。こういう経験大事にしたい。
また面白い舞台見たら感想書きたいです!では!